2〜3日かけてゆっくりと窯の中の温度を上げ(300℃)、水分を飛ばしていきます。(もせとり)急激に温度を上げると割れてしまいます。
火入れ風景(本焚き)
薪は全て国内産の赤松で、五郎辺衛窯は他の窯より長くもせとり後、12昼夜、2人一組で三交代制でじっくり焚き続けます。輸入の松は塩分を含んでいるので使いません。
窯の温度を見張る温度計
1160度をさしている。後100度は上がる。鉄が溶け始める温度でもある。
窯焚風景
薪を入れた瞬間に一気に薪に火が付きます。五郎辺衛窯は一度の窯焚きで4トントラック5〜6台分の薪を使用します。近寄っただけでも火傷を負いそうです。
薪を入れた1分後
炎が透き通ったようになります。中は1200℃以上あります。薪を入れた瞬間に窯の温度は50℃ほど下がります。(外の空気が入るため)その為、できるだけ素早く薪を投げ入れ、温度降下を防ぎます。
窯の煙突
薪を入れた直後、真っ黒の煙が立登ります。煙突からは炎はあまり出ません。(還元焼成)薪入れ後は、窯に土壁を被せ、空気が窯の中に入らないようにします。
炭入れ風景
棧切り模様を出す為に木炭を入れていきます。窯の左右同時に、4人二組で素早く木炭を被せます。本焚きより8日目から12日目まで半日毎に行います。五郎辺衛窯では一度の窯焚きで約700kgの木炭を使用します。
炭入れ(木炭)を行い
棧切り模様を付けます。
半日毎に毎回、備前焼の上にこれだけの炭を、各部屋全体に入れていきます。一度の窯焚きで使用した薪は約25トン、木炭700kが使用され、延べ105人が窯焚きに従事しました。昼間の窯の管理等を入れると150人以上になります。
15日の焼成後、約十日間かけて40度位までゆっくりと冷却します。急激に温度を下げたり冷えていない状態で窯出しすると、音を立てて割れていきます。窯の窓は全て空気が入らないよう土壁で塞ぎます。