備前焼ができるまで3(窯出し)

窯出し風景。
窯の前面(うど)の入り口を塞いでいた土壁と煉瓦を取り外します。

窯出し風景。
いよいよ「窯出し」。窯を開けた瞬間です。誰もが窯の中が気になります。備前焼は上薬を一切用いない為、窯出しまでどのような備前に焼き上がっているか判りません。また、場所によっては半数以上が割れている場合もあります。また、きず物などは窯出し直後に割られてしまいます。その為、出来上がった備前は他の陶磁器に比べ、どうしても高価になってしまいます。

窯出し風景
職人によって丁寧に窯出しします。

うどの窯出し
窯の前面の丸い部屋を「うど」といいます。胡麻模様が特徴です。壷等、格を出したい備前はここで焼きます。しかし、大型の壷等が商品として焼き上がる確立は50%です。抹茶碗(前面)等は灰が内側にかからないよう伏せて焼きます。(茶煎を痛めないように)

うど後部の窯出し 

二番窯出し
炭によってできた棧切り模様が特徴です。

三番窯出し
丁寧に窯出しされていきます。

巣穴窯出し
炎が各部屋を抜けるトンネル。ここを「巣穴」といい焼物を入れると「灰かぶり」ができる。

ころがして焼いたもの(窯変窯出し)
備前では「窯変」と呼ばれる。横寝かせで焼くことにより、作品が松の木灰に埋ってしまう。高熱のため、陶土に含まれている鉄分が炭素と化合して焦げ付いた模様になり、また、空気の流通が悪くなった部分は還元して青灰色になる。そして直接火が当たらなかった部分が鮮やかな赤に発色する。ほとんどは溶けた灰によって下に引っ付いていたり、割れており、備前では一番高価な焼けになる。商品として焼き上がる確立は30%以下である。

ころがしの引っ付き、失敗作
半数以上はこの様になってしまう。このだんご状のものを3つ支えとして、その上に横に寝かせて焼きます。これが取れると美しい焼けがでるはずだったのだが・・・

ぼた餅
煎餅状の粘土をつけて焼く。焼成後これを取ると「ぼた餅」と呼ばれる模様ができる。大皿等の模様付けによく行う。

窯出し終了
約4時間で窯出し終了です。約1万点の備前焼が出されました。

窯出しした備前焼を磨きます
地元のおばちゃんが駆けつけて、5日間備前焼を磨いてくれます。ここで、傷がある備前、焼けの悪い備前等が振り分けられ、いいものだけがお店に展示されます。
  このおばちゃん達の目は今、鋭く光っています。キラッ!