備前市伊部の陶商店「衆楽館」で、高齢者や要介護者の人らに使いやすい備前焼カップなどが
考案され、販売されている。
オーナーの武用健さん(41)は世界選手権の経験もあるスキー選手でもあるが、昨年と今年、
宙返りに失敗して鎖骨を骨折。「備前焼カップを握っても指先に力が入らずに落としてしまい、
お年寄りらの不自由さを知った」ことが今回のヒントとなった。
通常は指1本しか入らない取っ手部分を4本入るように広げ、机にひじを立てた状態でも
中身がのみやすいよう微妙な設計も施した。
皿についてもスプーンで中身をすくいやすいように傾斜を付け、縁の部分にも返しを付けた。
底には滑り止めのシリコンシートも張り付け、茶わんも持ちやすいようにワイングラスのような
形状を取り入れた。
サイズの大小も含めて計6品で「ええじゃろ」シリーズと名付け、取っ手付きカップなら
「とってもええじゃろ」、皿は「さらにええじゃろ」の商品名とした。価格は1個あたり3千円〜
5千円。
武用さんは「高齢者になると、握力などの低下でどうしても軽いプラスチック製などの食器となり、
食事も味気ないとの声も聞いていたので、その解消になれば」と話している。